「会津百姓一揆」2024年報告書

ご挨拶

この度は「会津百姓一揆プロジェクト」への多大なご支援、応援をいただき誠にありがとうございました。「土づくりを新しい産業に」をビジョンとして2023年11月に始まったこの活動ですが、みなさまのおかげで2024年12月を以て、無事に本格スタートを切るための基盤づくりとなった第0期を終えることができました。

このプロジェクトは、通常の事業に使われる枠組みの多くが無い状態のまま、かなりのスピードで進展してきました。

資金集めという文脈では、支援者さんへの株式配当がございません。最初の数ヶ月は出資していただくための契約書もない。調達目標金額が大きいにも関わらず、ベンチャーキャピタルや大手資本からの投資もない。薄利多売を基本とする農業界において、0次化プランのようなビジネスモデルの先進事例もありません。作物として買うとずっと安いのに、なぜわざわざ高い金額を出さなくてはいけないのか。これを理解していただける方はごく少数でした。

人材という文脈においても、運営母体である(株)ZEN-BUには正社員が一人もいません。共に住み込みで働く仲間には、通常のお仕事のような給料もでません。それなのに、仕事のボリュームや難易度は通常の一人当たりの会社業務の2~3倍はあったと思います。初めて続きなので、仕事に関する細かい指示もフォローもありません。そもそも、7名いるメンバーのうち4名は働きはじめて1年か2年の若手ばかりで、更に一人はアメリカから移住したてで、日本語でのコミュニケーションが円滑に進みづらいこともありました。

加えて、メンバーが兼業している県内最大の有機農家・自然農法無の会の耕地面積も18haまで増え、新しいメンバー二人がゼロから畑を回す状況の中、援農を含めて農園に訪問する人が前年から150人ほど増えました。それに伴い、現場での仕事量や組織として連動して動いていくためのコミュニケーションも前年の比にならないほど必要になりました。

そんな中、僕自身は資金調達のための出張で農園を不在にすることが多くて、会津でのプロジェクトや農業にあまりガッツリ携わることができず、現場にはコアメンバーが一人少ない状態が続きました。そのため、2024年は一人ひとりのメンバーが走りに走り続けた一年となりました。

その結果、一年をかけて40組ほどの心ある0次化パートナーさんが生まれ、銀行からの融資も含めて約1.6億円の資金が集まり、現場で計画していた全てのプロジェクトが一通り実施され、一人ひとりのメンバーも大きく成長しました。答えがなく手探りで事業を創っていく中で、それぞれが自分自身と深く向き合い、根本的な意識の変容も起こり、事業の未来像がより具体的に見えてきました。至らないところばかりなのに助言をくださり、応援し続けてくださる0次化パートナーさんの存在と、自らを変えてまでも事業を共に創ってくれる仲間に恵まれたことには感謝してもしきれません。

私たちの活動は、ここからが本番です。今年はさらに大きな一年となることでしょう。事業の本格的な第1期に入っていくフェーズを迎える中で、本プロジェクトの趣旨とこの一年の活動を振り返り、今年の活動につなげていきたいと思います。

会津百姓一揆プロジェクト発起人・株式会社ZEN-BU 代表取締役 宇野宏泰

2024年の活動内容

第0期を終えて

2024年の最初の半年は、なかなか事業の全体像が見えてこなかった中で、メンバーの皆んなは本当に人二、三倍以上に力を発揮して動き続けてくれたと思います。改めて、こんな素晴らしいチームとして活動できることに感謝です。

一方で、これだけのプロジェクトの数と難易度、ボリュームのある事業を、福島県で最大級(約18ha)の有機農家を共に経営する現行メンバー6名(うち一人は74歳)で回していくことには限界があることも、この一年を通して学びました。

僕たちはそれぞれ引き続き人の3倍ほどの仕事をしていく心づもりではありますが、それでもやはりもっと皆さんの力が必要です。ここからは、各事業の活動実績と内実をご紹介させていただきますので、それぞれに対して参画、もしくは参画していただけそうなお友だちをご紹介いただけますと幸いです!!